オーラルケアで重要な誤嚥予防

看護師が患者に対してオーラルケアを行う際は、誤嚥を予防するためにしっかりと体位を調整することが大切です。
ブラッシングや舌苔のケアなどを行う場合、顔を横に向けた側臥位を意識的にケアしましょう。唾液など気道からの分泌物を排出しやすくなるため、オーラルケアが容易になります。
しかし、すべての患者にこの体位があてはまるわけではありません。麻痺がある患者に対して側臥位でオーラルケアをした場合、神経障害などの合併症を招く危険があります。
この場合、健側を下にした側臥位にして、姿勢が傾かないようにすることが大事です。健側を下にすることで唾液などが健側の咽頭に溜まるため、誤嚥の危険性を防ぐことができます。

ブラッシングや口腔内の粘膜または舌苔のケアを行った後には、洗浄する必要があります。洗浄する量は極力減らし、顔は横に向けた状態で頬に溜まった洗浄液を吸引します。この際、特に誤嚥に注意しましょう。
汚れを綺麗に洗い流せる反面、洗浄液のなかには口腔内の危険性があります。そのためオーラルケアに不馴れな場合、洗浄はしないという方法もあります。
また、同じ体位を維持できない患者に対しても、洗浄は避けた方が良いでしょう。オーラルケアは口腔内を健康に保つために必要な方法ですが、体位が安定していなかったり、無理な姿勢で洗浄をした場合など、わずかなきっかけで誤嚥を招く危険もあるため、看護師は細心の注意を払う必要があります。